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+DESIGNING Seminar Vol.3
InDesign × PDFで向上させる
デザインワーク

2008年9月24日

取材・文●須貝 弦 写真●吉永和志

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■質もスピードも求められるクリエイティブの現場

毎日コミュニケーションズの雑誌『+DESIGNING』、そしてアドビシステムズとモリサワの3社共催によるセミナー「+DESIGNING Seminar Vol.3 InDesign×PDFで向上させるデザインワーク」が、去る9月24日に、毎日コミュニケーションズ内にある「マイナビルーム」において開催された。

情報量が増加し、その流通スピードも飛躍的に速くなった現在、クリエイティブの現場では常に「量」と「スピード」を相手に闘い、なんとかクリエイティブの質を保とうと努力がなされている。さらに今後、広告や出版を取り巻く環境が厳しさを増す中で、いかにしてクリエイティブの質も上げつつ生産性(プロダクティビティ)を高めるかが、大きな課題だ。

今回のセミナーでは、この「質もスピードも」というニーズを満たすツールとして、Adobe InDesignとPDF、OpenTypeフォントにフォーカス。それぞれのプロフェッショナルを招かれ、講演を行った。

■InDesignの生産性を向上させる数々のTips

セミナーの第一部では、Adobe InDesignのエバンジェリストとして知られる森裕司氏(有限会社ザッツ 代表)が、「InDesignを120%使いこなす スーパーTip」と題していくつかのテクニックを披露した。森氏は「InDesignの勉強部屋」を開設し、日々InDesignにまつわる様々な情報やTipsを発信している人物でもある。

CS2からCS3へのバージョンアップで「あまり大きな変更は無い」などという言われ方もしたInDesignだが、森氏は「検索置換の機能が向上している」と話す。CS3からは、正規表現による検索置換に対応していることが大きい。この検索置換機能を活用することで、InDesign上での作業効率を向上させることができる。

森氏が例として示したのは、章の小見出しに「●」や「■」等の記号を目印として使うケース。こういった記号を検索し、スタイルを変更し、さらに実際の誌面では不要な「●」や「■」を削除する……といったことが、InDesign CS3の検索置換で可能であることをデモで紹介した。InDesign CS3上で文字を流し込み、該当箇所をひとつずつ選択してスタイルを適用するのとは、まるで手数が違うわけだ。

また、オブジェクトの属性による検索置換であったり、オブジェクトの中に別のオブジェクトを入れ子のようにペーストできる機能など、Tipsを紹介していく森氏。とくに入れ子のペーストに関しては、角丸の長方形を作ってその中にInDesign CS3で作った表組を入れ子としてペーストすれば、InDesign CS3の表組機能だけでは実現できない「角丸の表組」が出来上がる。

こういったTipsの積み重ねでも、InDesign CS3の作業効率がずいぶんとアップするはずだ。

mori

有限会社ザッツ

代表 森裕司

 

■InDesignの文字組を設定するツボ

第二部では、株式会社モリサワ営業三部カスタマーセンターの大澤叙夫氏が、「読みやすい誌面を実現するInDesignの文字組版」と題して講演を行った。

InDesignの美点のひとつとして、誰でも容易に美しい日本語組版が実現できることを挙げる人は多い。しかしそれは、InDesign上で正しい設定がきちんとできてこそ実現するもの。そして、設定の部分でつまづいてしまう人がいるのも事実だ。

そこで大澤氏はまず、和文の組版を考える上で必須な、文字面、約物、行組版、禁則処理といったポイントについて、実例を出しつつ丁寧におさらいしていく。そして、読みやすい誌面を実現するためにはどこに気をつければ良いのか、それをInDesign上で設定するのはどうしたら良いのかを、実際の設定画面や、設定による組版結果の違いを見せながら解説していった。

大澤氏は、いくつかの会社や個人で、InDesignの組版設定が公開されていることにも触れた。もしゼロから設定するのが難しいようであれば、公開されている設定を研究してみるのも良いだろう。また、クライアントの考え方が重要であるということも、忘れてはならない。

いずれにせよ、きちんとInDesign上で組版の設定ができていれば、後はオペレーター任せでもきれいな組版が実現するのは、やはりInDesignの大きなメリットだ。。

osawa

株式会社モリサワ

営業三部カスタマーセンター

大澤叙夫

 

■InDesignとPDFによる最新の雑誌制作ワークフロー

第三部では、雑誌『+DESIGNING』の小木昌樹編集長が、雑誌制作のワークフローについて紹介した。売り上げの対前年比割れが続いている出版業界にあって「より安く、速く、質の高い本を出すと言うことは至上命題」と話す小木編集長。InDesignやPDF、OpenTypeといったツールは、なくてはならないものだという。

『+DESIGNING』では、原稿執筆から修正に至るまで編集者自身がInDesignや、InDesignと連携するエディタ「Adobe InCopy」を活用している。また、フォントはすべてOpneTypeを使用、誌面で使用する写真原稿はすべてデジタルカメラで撮影したものとなっている。もちろん、誌面のデザインもInDesignで行われている。

PDFに関しては、校正のやり取りだけではなく、入稿でも大いに活用しているという『+DESIGNING』。印刷入稿用のPDFである「PDF/X-4」によってデータ入稿を行っている、数少ない事例のひとつでもある。

kogi

株式会社毎日コミュニケーションズ

+DESIGNING編集長

小木昌樹

 

続いてアドビ システムズ マーケティング本部の岩本崇氏が、Acrobat 9 Proの新機能を紹介。ドキュメントの管理とよびやり取りをスムーズにする「ポートフォリオ」や、進化した印刷工程機能などを挙げ、クリエイティブワーク全般に渡って活用できるツールであることを紹介した。また、PDF入稿については「PDFでの入稿が進んでいる欧米に比べれば、日本はまだまだこれから」としつつも「日本でも着実に広まりつつある」と、岩本氏は語った。

 

iwamoto

株式会社アドビ システムズ

マーケティング本部

岩本崇

■伸びしろは、まだある

現場レベルでは、まだまだAdobe Creative Suite 2を使用しているところが多いかもしれない。また、CIDフォントがメインの現場、そしてまだPDF入稿に踏み切れない現場が数多くある。しかし一方で、すでに一部の現場では最新のワークフローが「当たり前」「必要不可欠」な存在になっていることも見逃せない。

まだまだ一世代、二世代前のツールやワークフローが幅を利かせている業界ではあるが、そして今回のセミナーからは「クリエイティビティにもプロダクティビティにも、まだまだ伸びしろはある」という印象を受けた。

 

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